いつの時代も高い人気をほこる帆布バッグ。数千円で買えるものもあれば数十万円するものまで実に幅広く売られています。本記事では「上品な帆布バッグ」とは何なのか?これを帆布という生地の特徴をふまえて解説します。
- 帆布生地とは
- 帆布バッグの発展
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上品な帆布バッグとは
・生地
・縫製
・まとめ - 日本製帆布のよさ
- 上品を目指したバッグ
1. 帆布生地とは
かんたんにいうと、ねじって強度を高めた綿の糸を平織りした生地のことを帆布と呼びます。キャンバス生地と呼ばれることもあります。帆布の用途は幅広く、跳び箱の布やテント、船の帆やお相撲さんのまわしなど多岐にわたります。共通しているのは、どれも耐久性が求められるものばかりということ。帆布は摩擦やひっぱりに強い丈夫な生地なのです。
2. 帆布バッグの発展
帆布といえばやはりトートバッグが有名でしょう。半世紀以上も昔、アメリカの L.L.Bean というアウトドアメーカーが、氷を運ぶためのバッグとして帆布トートを発売したのが始まりとされています。
道具としての用途から、ファッションアイテムとして浸透していったのが90年代に入ってから。アメリカの若者の間で人気に火がつき、当時アメカジブーム真っ只中の日本でも広まりました。
近年では、トートにレザーを使用していたハイブランドまでもが、耐久性や機能性に優れた帆布を使い始め、帆布トートが高級バッグとしても認知されるようになりました。
3. 上品な帆布バッグとは
では、本題である「上品な帆布バッグ」とは何なのか?
本記事では、「カジュアルだけでなく、フォーマルなシーンでも使えるバッグ」と定義し、生地と縫製の観点から考えていきます。
【生地】
帆布には規格があり、1〜11号までの「号数」で分けられています。号数が小さいほど、あわせる経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の本数が増えていくため、「厚い」生地となります。つまり1号帆布が最も厚く丈夫な生地ということになります。
では、1号帆布を使えばよいバッグかというと、そうではありません。一般的にはバッグなどの小型製品に使われるのは5号前後までで、その先はゴツくて縫製などが大変です。実使用においても、生地が厚すぎると重くなり、ゴワゴワして使用感、見た目の両方においてあまり良くありません。
上品な見た目を考えると、6号〜4号で織り目をつめて織られた帆布は、ハリとコシに加え、生地表面に凹凸や隙間が少なく、それが上品な印象を与えます。
実際にハイブランドも5号前後の帆布を使用している印象で、生地の目が細かく、自立するほどしっかりとしたスマートなデザインのトートバッグを展開しています。
【縫製】
「神は細部に宿る」と言いますが、縫製も見た目の印象に影響を与えます。幅を大きく縫えば縫製作業は早くかんたんになりますが、耐久性が落ち、見た目としても大味な印象となります。
また、スマートな見た目のしっかりとしたバッグをつくるとなると、織り目がつまった厚い帆布を縫い合わせる必要があります。そのためには適した条件のミシンと、丁寧に縫い合わせる縫い子の技術力が求められるのです。つまり量産において生産性と引き換えに質をとる必要があります。
【まとめ】
つまり「上品な帆布バッグ」を作るためには、手間暇がかかります。実際に形が整ったキレイな帆布バッグは高価な傾向があり、以下の条件に合致する部分が多いと思います。
- 織り目が細かくつまった凹凸の少ないテクスチャー
- 自立できるほどしっかりとした厚みと構造
- 縫い目が細かく、丁寧な縫製
お店で上品だなと思うバッグがあればぜひ一度手に取って見てみてください。
4. 日本製帆布のよさ
上品な見た目の帆布について書きましたが、織機さえあればどこでも生産できるという訳ではありません。現在では国内外の多くの機屋(はたや)が自社設備を大量生産に適したエアジェット型にシフトしており、厚みのある生地を織ることが出来るレピアやシャトルなどの旧式織機を持った機屋が少なくなっているからです。
しかし、日本の織物の歴史は古く、質のよい帆布を織ることができる旧式織機をその技術とともに今も継承している機屋はあります。有名な産地として岡山県の倉敷や、滋賀県の高島があげられます。
これら産地による帆布は、旧式織機特有のしなやかさと強さを持っているため、見た目だけでなく、使い心地の良さにも大きく貢献します。
これら産地の帆布を使ったバッグが人気なのは確かな理由があるのです。
5. 上品さを目指した帆布バッグ
PENBAGSの帆布バッグは、まさに上品な帆布バッグを目指し作られました。
特に、滋賀県高島の老舗機屋の協力のもと織られた、ブランドのオリジナル帆布生地「MONO」は、本記事で紹介した上品な帆布の条件を全て満たすものといえます。
しっかりと目の詰まったハリのある4号帆布を使用し、自立するほどしっかりとしたバッグに仕上がっています。また、PENBAGSのカバン職人が手作業で縫製しており、糸の番手(太さ)を選定して丈夫かつ上品さを損なわないように仕立てられています。
また、モノトーン配色のミニマルなデザインなのでシチュエーションを選ばずにご使用いただけます。
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